Podoricaコラム
権利・ルール

ポッドキャストのBGMと著作権:使える音楽と音量の目安

ポッドキャストのBGMに市販の曲を使うには、原則として許可がいります。曲の著作権に加えて、CDや配信の音源にはレコード会社などの権利もあるためです⁠[2]⁠[3]。BGMには、自作の曲か、ポッドキャストで使えると規約に書かれた音源を選び、音量は声より控えめにしましょう。この記事は一般的な情報で、個別の判断は弁護士など専門家にご相談ください。

目次
  1. 市販の曲をBGMに使ってもいい?
  2. 使いたい曲があるときの手続き
  3. フリー音源を使うときの確認ポイント
  4. BGMの音量は、どのくらいにする?
  5. よくある質問
  6. まとめ
  7. 参考資料

市販の曲をBGMに使ってもいい?

他人の作品を使うには、権利が制限されるいくつかの場合を除いて、作った人の許可がいります⁠[1]。著作権は作品を作ったときに自動で生まれ、登録などの手続きはいりません⁠[1]⁠[2]。

ポッドキャストで曲を流すと、インターネットで誰でも聴ける状態になります。曲の著作権には、曲を複製する権利や、ネットで送信する権利が含まれます⁠[2]。

曲の権利と、音源の権利は別

CDや配信の音源には、曲そのものとは別に、録音した音源を作った人の権利(著作隣接権)があります。レコード製作者は、音源を複製する権利と、ネットで送信できる状態にする権利を持っています⁠[2]。

JASRACも、市販のCDやダウンロードした音源を使うときは、レコード会社など音源製作者の許諾が別にいると案内しています⁠[3]。

BGMにする音楽の種類と確かめることの図。自作の曲(自分で作曲・演奏・録音)、フリー音源(規約で使い方を確認)、市販の曲(曲と音源の両方の許諾)
BGMにする音楽の種類ごとに、確かめることが変わります。

古い曲なら、自由に使える?

曲の著作権は、原則として作者の死後70年まで続きます⁠[2]。演奏と録音にも、演奏した年や発行した年の翌年から70年の権利があります⁠[2]。

作曲者の権利が切れたクラシックでも、新しい演奏や録音には権利が残っている場合があります。自分で演奏し、録音した音なら、その心配は少なくなります。

数秒だけ、または無料の番組なら?

「数秒なら許可はいらない」という決まりは、著作権法にはありません。許可なしで使えるのは、引用など、法律が定める場合です⁠[2]。

曲を紹介・批評するために一部を流すなら、「引用」にあたる場合があります。文化庁は、話が主で曲が従であること、引用部分がはっきり分かること、出所を示すことなどを条件に挙げています⁠[4]。

営利でない演奏などを許す決まりもありますが、ネットで配信する(公衆送信)場合は対象外です⁠[4]。無料の番組でも、許可がいると考えておきましょう。

収録中に、お店の音楽が入ったら?

録音の対象に付随して、まわりの音楽が小さく入った場合は「写り込み」として、正当な範囲なら使えると定められています⁠[2]。BGMとして選んで流す曲は、付随して入った音とはいえない点に注意しましょう。

使いたい曲があるときの手続き

まず、曲を管理している団体を調べます。JASRACの曲は作品データベース「J-WID」で⁠[3]、NexToneの曲は作品検索データベースで確かめられます⁠[5]。

JASRACは、ポッドキャストなど音声を主とする配信で、管理する曲を使うときの手続きを案内しています。個人や非営利団体が、広告収入だけで、または無料で配信する場合は、使用料が異なります⁠[3]。NexToneも、ネット配信での申請の流れを公開中です⁠[5]。

市販の音源を使うなら、レコード会社など音源を作った権利者の許諾が別にいります。日本レコード協会も、音楽著作権を管理する団体とレコード会社など、両方から許諾を得るよう案内しています⁠[6]。

YouTubeなど、JASRACと契約している動画投稿サービスでは、一定の範囲なら投稿者の手続きがいらない場合もあります。ただし、利用方法によっては、個別の手続きが必要です⁠[7]。この場合も、市販の音源をそのまま使うには、音源の許諾が別にいります⁠[3]。

配信サービスのルール

  • Spotify:収益化していない番組でも、著作権のルールは同じだと案内しています⁠[8]。
  • Spotify:曲やDJミックスを流すことが中心の番組は、ライセンスの有無にかかわらず削除されることがあります⁠[9]。
  • YouTube:Content IDが音源を照合し、一致すると権利者が動画のブロック・収益化・統計の確認を選べます⁠[10]。

広告やスポンサーで番組の収入を得るなら、音楽の規約が商用の使い方を認めているかも確かめましょう。収入の得方はポッドキャストの収益化で紹介しています。

許可なく使うと、どうなる?

権利者は、配信の停止(差止め)や損害賠償を求めることができます⁠[4]。著作権の侵害は、10年以下の拘禁刑や1,000万円以下の罰金の対象でもあります⁠[2]。配信サービスで、エピソードが削除されることもあります⁠[9]。

フリー音源を使うときの確認ポイント

「著作権フリー」「ロイヤリティフリー」と書かれた音源でも、多くは作った人が権利を持ったまま、利用条件を決めています。Spotifyも、ロイヤリティフリーだからといって、どんな使い方でもできるとは限らないと注意しています⁠[8]。

使う前に、音源の規約で次の点を確かめておきましょう。

  • ポッドキャストや音声配信で使ってよいか。
  • 広告やスポンサーのある番組でも使えるか。
  • クレジットの表記がいるか、どこに書くか。
  • 曲を短く切ったり、つないだりしてよいか。
  • 音楽を主役にした使い方が禁じられていないか。

クリエイティブ・コモンズ(CC)のマークが付いた音源もあります。「BY」はクレジットの表示、「NC」は営利目的で使わない、「ND」は元の作品を改変しない、という条件です⁠[11]。

規約は変わることもあります。使った音源の名前と規約の内容、ダウンロードした日を残しておくと、あとで確かめやすくなります。

BGMの音量は、どのくらいにする?

BGMは、声がはっきり聞こえる大きさまで下げるのが基本です。書籍『プロ目線のPodcastのつくり方』は、話す人どうしの音量と、声とBGMの音量のバランスを整えることを挙げています(pp.179-183)⁠[12]。

番組のはじめと終わりに流すテーマ音楽と、本編の下に流すBGMとでは、役割が違います。曲を使い分けても、番組全体の雰囲気はそろえておきます(同書pp.191-196)⁠[12]。

仕上げたら、音だけで最後まで聴いてみましょう。イヤホンとスマホのスピーカーなど、いくつかの環境で聴くと安心です(同書pp.197-199)⁠[12]。

完成した音声全体の音量は、Apple Podcastsがラウドネス-16 LKFS(許容範囲±1dB)を推奨しています⁠[13]。音量の整え方はポッドキャストの編集のやり方でも紹介しています。

BGM・音量の仕上げ画面。音楽の配置、声とBGMの音量、フェードの設定欄
PodoricaのBGM・音量の仕上げ画面。音楽の配置と、声とBGMの音量を設定します(画面はサンプルです)。

よくある質問

好きなアーティストの曲を、BGMに使えますか?

原則として、許可がいります。曲の著作権に加えて、CDや配信された音源にも権利があり、両方の許諾が必要です⁠[3]。

数秒だけなら、市販の曲を流してもいいですか?

短ければ許可がいらない、という決まりはありません。批評などのために一部を流す「引用」も、話が主で曲が従であることや、出所を示すことなどが条件です⁠[4]。

フリー音源なら、どんな使い方でもできますか?

いいえ。ロイヤリティフリーでも、どんな使い方もできるとは限りません⁠[8]。ポッドキャストで使えるか、クレジットがいるかを、規約で確かめましょう。

SpotifyでBGMを流すときの注意は?

収益化していない番組でも、著作権のルールは同じです⁠[8]。曲を流すことが中心の番組は、ライセンスがあっても削除されることがあります⁠[9]。

YouTubeに載せると、BGMで問題になることはありますか?

Content IDが音源を照合し、一致すると、権利者が動画のブロックや収益化を選べます⁠[10]。載せる前に、使う音源の権利を確かめておきましょう。

BGMの音量は、どのくらいにすればいいですか?

声がはっきり聞こえるまで下げるのが基本です⁠[12]。完成した音声全体は、Apple Podcastsが-16 LKFS(±1dB)をすすめています⁠[13]。

まとめ

市販の曲をBGMにするには、曲と音源の両方について許可がいります。短く流す場合や無料の番組でも、考え方は同じです。フリー音源も、規約がポッドキャストでの使い方を認めているかを確かめましょう。音量は声が主役になるように控えめにし、いくつかの環境で聴いて仕上げます。

声やAI音声にかかわる権利は、AI音声・声クローンで配信するときの権利と注意点にまとめています。この記事は一般的な情報です。個別の判断は、弁護士など専門家にご相談ください。

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参考資料

  1. 著作権って何?(はじめての著作権講座)公益社団法人著作権情報センター(CRIC)
  2. 著作権法(第17条・第21条・第23条・第30条の2・第32条・第51条・第96条・第96条の2・第101条・第119条)e-Gov法令検索
  3. 音楽配信・音声配信一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)
  4. 令和6年度著作権事務担当者講習会「著作権制度の概要について」文化庁著作権課(2024年)
  5. インターネット上で音楽を利用株式会社NexTone
  6. 音源利用のご案内一般社団法人日本レコード協会
  7. YouTubeなどの動画投稿(共有)サービスでの音楽利用一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)
  8. Respecting everyone’s rights: Podcasts and copyrighted contentSpotify for Creators(2026年9月16日)
  9. Spotify’s policy on submitting music via a podcastSpotify for Creators
  10. Content ID の仕組みYouTube ヘルプ
  11. クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとはクリエイティブ・コモンズ・ジャパン
  12. プロ目線のPodcastのつくり方野村高文(クロスメディア・パブリッシング)(2025年)
  13. オーディオの要件Apple Podcasts for Creators

記事の情報は2026年10月30日時点で確認したものです。各サービスの仕様や調査の数字は変わることがあります。

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この記事の監修者

エダコDX / edacodx production

FMラジオを中心に100番組以上を企画・制作してきたラジオプロデューサー。bayfm、ラジオ大阪、かわさきFMなどで番組をプロデュースし、自身も出演しています。元戦略コンサルタント。Podoricaの番組づくりとコラムを監修しています。

監修者のプロフィール

この記事は、Podorica編集部が公的機関・公式の情報を調べて執筆し、監修者が2026年10月30日に内容を確認しています。法律などの判断が必要な場合は専門家にご相談ください。編集方針

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